本文へ移動

ブログ

「摂る」よりも、まず「省く」 (後篇)

2018-04-18
こんにちは。薬剤師・国際中医専門員の古賀梨紗子です。
この土日、福岡では雨や冷たい風の影響で、店頭では喉痛や咳のご相談が増えていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
4/11のブログで「内傷脾胃、百病由来(脾胃の不調がさまざまな病気を招くことになる)」というお話をしました。
脾胃とは、中医学では「後天の本」とも言われ、いわゆる消化器全般の働き、つまり、食事から生きる上で必要な気(元気)血を生み出す大切な役割を担っています。
脾胃が元気であれば、身体も健康を損なうことなく健やかに過ごすことが出来ます。
 
では、脾胃を養うためにはどうしたらいいのか?(合言葉ですよ!せーのっ!)
 
【「摂る」よりも、まず「省く」(詰まりを減らして、それから、補う)!!
 
 
今日は、この「摂る」についてのポイント、つまり食事でのポイントをお話ししようと思います。 
中医学では、食物や生薬には「五性」「五味」といった性質(人で言えば、性格みたいなもの)があり、
それぞれに異なる役割を持っています。
 
日々の食事ではこれらの性味をバランスよく摂ることを基本として、その時々の体調などで体に合った食べ方に工夫をすることも、体の健康を保つために大変重要になります。
 
 
では、五性とは何か?「寒」「涼」「平」「温」「熱」性で表し、
 
寒性>涼性:温熱症状を取り除き、清熱、鎮静に働きます。
 
熱性>温性:寒冷症状を取り除き、補陽・興奮に働きます。
 
平性:冷やし過ぎず、温め過ぎず、「寒・涼」「温・熱」どちらにも属さない穏やかな性質を持っています。
 
 
では、五味とは何か?「酸」「苦」「甘」「辛」「鹸(かん)」味があり、
五味は五臓(肝心脾肺腎)に入ってそれぞれの臓器の働きを養い、 逆に摂り過ぎれば返って五臓を傷つけるといわれています。
 
酸味:すっぱい。「肝」を養い、自律神経の調節やストレス解消を助ける。漏らさない(頻尿、多汗、下痢など)。筋肉を引締めに働きます
 
苦味:「心」(循環器)に働きかけ、高ぶった神経の鎮静を助け、余分な熱を冷まします(便秘、皮膚トラブルなど) 。
 
甘味:「脾」に働きかけ、気血を補い、痛みや緊張の緩和に働きます(虚弱体質・易疲労)。 あくまで、自然の甘味であり、人工甘味料などはここでは当てはまりません。
 
辛味: 「肺」(呼吸器)の機能をサポートして、発汗、発散、気血の巡りを良くします(感冒初期、くしゃみ、冷え症)
 
鹹味:しょっぱい。「腎」に働きかけ、内分泌系、泌尿生殖器系の機能を助け、堅いものを軟らかくする(皮膚および筋肉のしこり、便秘など)力があります。
 
つまり、酸味が欲しい時は、目の症状、筋肉の痙攣、爪がもろい、不眠など肝(胆)が弱っている時が多く、
梅、トマト、柑橘系(みかん、ゆず、グレープフルーツ、レモンなど)、黒酢などを摂るといいですし、
苦味が欲しい時、イライラ、動悸、便秘や吹き出物など心(小腸)が弱っていることが多く
レバー・ゴーヤ、セロリ、緑茶、銀杏などを摂るのがいいでしょう。
 
甘味が欲しい時は食欲不振、倦怠感、下痢、軟便 など脾(胃)が弱っていることが多く、
もち米、玄米、トウモロコシ、鰻、大豆、イモ類などがおすすめです。
 
辛味が欲しい時は鼻炎、鼻水、浮腫み、便秘、倦怠感など肺(大腸)が弱っていることが多く、 
おすすめはねぎ、紫蘇、らっきょ、韮、根菜類(大根、牛蒡など)です。
 
鹹味(しょっぱい味)が欲しい時は、耳鳴りなどの耳の症状、白髪、浮腫み、眩暈、排尿障害など腎(膀胱)が弱っていることが多く
牡蠣、イカ、あさり、しじみ、海藻類などを摂るといいです。
 
 
ざっと書きました・・・
いずれにせよ、前回もお伝えはしましたが、「摂る」ものを十分に生かすためには、
やはりまずは、「省く」こと(4/11ブログをご覧ください☆)から始めてみてください^^ 
長文を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
 
投稿者:古賀梨紗子
TOPへ戻る