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貧血?それとも、血虚?

2018-05-30
「女子以血為本(女子は血を以て本と為す)」
 
という言葉が中医学にはあります。
 
 
これは、女性の体は血をもとに成り立っているという意味で、女性の体にとっていかに「血」が重要であるかということを示しています。
 
“血が足りない”というと、一般的には「貧血」が思い浮かぶかと思いますが、中医学で言う血の不足は「血虚(けっきょ)」のことを指します。
 
この、貧血と血虚。めまい、立ちくらみ、動悸や息切れ、疲労感、怠いなど、症状が一緒に思えるんだけど、
これって名前が違うだけ・・?
 
 
いえいえ、厳密に言うと異なるもので、
 
 
「貧血」は、血液中の赤血球やヘモグロビン(鉄+タンパク質)が少ない状態で、一般的に知られている鉄欠乏性貧血のほかに、再生不良性貧血、悪性貧血(巨赤芽球性貧血)、溶血性貧血などが挙げられます。
 
「血虚」は、血そのものが不足して全身に十分に巡らなくなる状態
 
を指しています。
 
貧血は、乳児期~2歳、思春期、妊娠中、閉経前の女性などで鉄欠乏になりやすいため、
 
上記期間に当てはまる方は特に症状が出やすいと言われます。
 
 
 
 
鉄を効率よく摂取するためには、
 
体内に吸収されやすいヘム鉄を含有する食材としてのレバー、肉類、煮干しや鰯などの魚類がお勧めですが、
 
体内に吸収されにくい非ヘム鉄を含有する食材(野菜類、海藻類、豆類、干し葡萄、切り干し大根など)でも、
動物性食品やVit.Cと組み合わせれば、身体に吸収されやすくなり、効率よく鉄分を補給することはできます。
 
 
これに対して、
 
血虚の場合は、一般的な貧血症状のほかにも、冷え症、皮膚の乾燥、目や口の乾燥、若白髪、抜け毛、イライラや落ち込みなどの情緒不安定、ストレスに弱い、睡眠障害なども見られることがあります。
 
 
これは、“血”が  
 
①内臓や細胞に栄養を届ける働き 以外に、②体を潤す働き ③精神を安定させる働き
 
を担うためです。
 
 
 
そのため、血を増やすためには、
 
鉄分を増やす食材のほかに、
 
緑黄色野菜自然な甘味のある食材(棗やプルーンなどのドライフルーツ類など)、黒い食材(黒豆、黒砂糖、黒きくらげなど)がお勧めです。
 
 
また、皮膚の乾燥など潤い不足には、上記以外に身体を潤す食材である白い食材(白きくらげ、蜂蜜、豆腐など)なども一緒に摂ったり、
 
 
落ち込みや不安などの精神症状が気になれば、ジャスミンテティーや柚子茶など香りのあるものなどを一緒に摂られるのがいいかと思います。
 
 
 
 
 
いずれにせよ、血の不足、貧血は両者ともに生活習慣が大きな原因の一つに考えられるため、
 
 
 
①偏食や暴飲暴食を控え、バランスの良い食事の心掛け
 
②朝活をしてみる(朝食抜きではなく、朝食を楽しむ余裕を)
 
③冷たいもの、生もの、刺激物はできるだけ控える
 
④身体が疲れない程度に軽く体を動かす(散歩、ラジオ体操、ヨガなど)
※食事を抜くダイエットではなく、身体を動かすダイエットなら、健康的で魅力的な身体づくりが目指せます
 
⑤睡眠時間の確保(日が変わる前に横になる)
 
 
 
など、是非まずは生活習慣の見直しからトライしていただければと思います。
 
 
投稿者:古賀梨紗子
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