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黄帝内経に見る秋の養生法

2017-09-26
こんにちは。先日は秋分の日。日中は暑い日もありますが、暦の上では秋真っ盛りとなります。中医学の古典「黄帝内経」では、秋の養生法を次のように述べています。
 
『秋三月、此謂容平。天気以急、地気以明。早臥早起、与雞倶興。使志安寧、以緩秋刑。収斂神気、使秋気平、無外其志、使肺気清。此秋気之応、養收之道也。逆之則傷肺、冬為飧泄、奉蔵者少。』
 
「秋の三か月は容平という。天気は涼しく風の音は強く急であり、地気は静粛として、万物は色を変える。この季節には、鶏の寝起きのように、早く寝て早く起きることであり、心を安らかにして、精神を落ち着かせて、秋の気が身体を損なうことのないようにし、やたらと動きまわって、肺を冷やさないようにする。これが秋の季節に調和した養生法である。もし、これに背いて、精神を動揺させたり、秋の冷えにあたり肺を冷やしたりすると肺気を損傷し、冬になって下痢をしたりする。」
 
「黄帝内経」が示す季節の養生において、生、長、収、蔵の四文字で表される四季の属性の中で、夏の万物の成長の「長」に続く秋は収穫の「収」にあたります。秋の三か月は「容平」と名付けられますが、「容」は収容や包容の意味で、空の枠に物を入れることを表し、「平」は平穏や平定を意味します。秋には、夏の燃え上がる炎のように盛んであった陽気が、外に出ていく状態から内に収められる形に変わることを示しています。自然界において万物は実り以外のものは削ぎ落され、枯れていきます。陰気はさらに増し、陰陽バランスは陰盛、冬にかけて陰に傾いてゆきます。
 
春夏は陽を養い、秋冬は陰を養う時期です。そのため、寝起きに関しても、鶏のように朝は早起きし、夕方になれば活動を控えて、春や夏よりも就寝時間を早め睡眠時間を増加させる必要があるとされます。昼間の陽の時間は減らし、夜間の陽気が内に収束する陰の時間を増やしてゆく必要があります。夏は日が長いので、少々夜更かししても大丈夫なのですが、秋~冬にかけては徐々に就寝時間を早めにシフトしましょう。秋の夜長とは言いますが夏の疲れをとるためにも、意識して身体を休める時期です。
 
体のリズムというものは案外四季とリンクしているものです。日の出日の入りのリズムに合わせて睡眠のリズムも変わっていきます。また、春と違い何かをやろうとなってもいたずらに手を出さず、精神を十分にひきしめるように気をつけるべきだとされています。これも、体内の「陽気」を洩らさないようにするためです。季節に合わせてライフスタイルを立て直すということは、養生には重要なことです。出来る範囲ででも生活に取り入れていきたいですね。
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