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腸管免疫系は体外と体内の境目で見張っている

2018-01-24
最近は「腸活」といった言葉がトレンドとなっています。腸活とは腸内環境を正常にして健康な体を手に入れることを言います。近年になり、食べ物の消化吸収だけでない、腸の様々な働きが注目されています。たとえば、免疫において腸管が非常に重要な存在であることが注目されています。腸は腸管免疫系と呼ばれる免疫機構を構築し免疫機能に関与しています。腸管免疫系について簡単に調べてみました。
腸管免疫系はパイエル板、小腸上皮細胞、粘膜固有層と腸間膜リンパ節によって構成されています。腸管の表面積はテニスコート1面分にも達し、体表面積の100倍以上であると推定されています。腸管は内臓器官ですが、その両端に位置する口腔と肛門を介して外界と接しています。従って、腸管は内なる外界ともいえ、腸管粘膜は、細菌、ウイルス、寄生虫や化学物質などのさまざまな異物に絶えず曝されています。それら経口的に体内に入る脅威から身を守るために発達した仕組みが腸管免疫系であり、これに対応する免疫系細胞も大量に存在する必要があります。
一方、私たちの身体は、生命を維持するため必要な食べ物を分解し体内に取り込んでいかなければなりません。腸管免疫系は食品のように安全なものと、病原細菌のように病原性のあるものを識別しています。生命の危険にさらされる病原細菌も、その成分は食べ物と同様にたんぱく質、炭水化物、脂質からつくられています。これを食べ物などと判別し、排除しています。すなわち、腸管免疫系は身体の外部から身体の内部に入れるべきものを識別しているといえます。
腸管免疫系は全免疫系細胞の約70%が存在しているといわれ、体内の最大の免疫機構です。身体の内部へ外部から敵が入り込まないように、これだけの戦力が見張っているのです。身体自身も、敵が内部に侵入し暴れることで致命的な損害を被ることをあらかじめ防ぐこと=予防が大切だと言っているのかもしれません。
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