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春分と陰陽

2018-03-17
来週21日は「春分の日」です。
 
冬至と夏至で「二至」。暦を考える、一年の長さを決めるうえで太陽の動きが重要になります。冬に太陽がもっとも南に至る日が冬至。夏に太陽がもっとも北に至る日が夏至。二至が出来ると、冬至から夏至までの長さが決まりました。長さが決まったので半分にします。そして半分に分けた点、二分の点が考え出されます。春分と秋分で「二分」。併せて二至二分となります。また立春・立夏・立秋・立冬と「立」がつく言葉が四季それぞれにあってこれをまとめて四立と言います。四立はそれぞれ、前述の二至二分のちょうど中間です。四立は昔から四季それぞれが始まる日とされています。春が出立する日は立春ということで「立」の文字が使われます。二至二分と四立を併せた8つの時点(冬至・立春・春分・・・)を八節と呼びます。暦の上で重要な8つの節目の日となります。
 
二至二分を陰陽で考えたとき、夏至は自然界の陽気が最も極まる日であり、その日を境に陽極まって陰となり、徐々に「陽消陰長」、陽が消え陰が増えていくのがわかります。逆に、冬至は自然界の陰気が最も高まるときで、このときを境に陰極まって陽になり、「陰消陽長」しながら少しずつ春に向かいます。春分と秋分の二分では丁度陰陽が半分ずつ。昼と夜が同じ長さ。ですが、二分を越えたところで気の方向性が変わります。春分では陰(内に溜める方向)が減っていく状態から陽(外に向かう方向)が増えていく状態へ。秋分では陽が減っていく状態から陰が増えていく状態へ。春分は陰陽のバランスが同じになり自然界では良い日だと思うのですが、体が自然界の陰陽の「流れの変化」に追いつけないと体調を崩しかねません。
 
中間、ちょうど真ん中にあるということは、ちょっとの刺激でどちらかに倒れやすいということでもあります。春の養生も秋の養生もそうですが、春はくよくよせず身体を軽く動かし発散する。秋は心静かに、気持ちをできるだけ平穏に保ち、心配事や悲しみで感傷的にならない。といったように、精神的に安定させることは重要です。大きく体調が崩れる時には心理面でも必ずと言っていいほど何か変化があります。心理面でも身体の気の流れが急激に変化しないようにコントロールすることがこの時期重要になるのでしょう。
 
人体と自然界の関係性を考え、その調和を目指すのは「整体観」といい、中医学の基本的な考え方です。
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