鏡開きと、おもちと、あずき。
今年もあっという間に1月も半ばになろうとしていますが、皆様、お正月はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は初日の出を見に行ったり、初詣に行ったり、実家や祖母の家を行き来しあっという間に終えてしまいましたが、久しぶりに家族とゆっくり過ごすことが出来たように感じます。本当に有り難いです!
さて、明日1月11日は鏡開きの日(地域によって15日や20日にするところもあります)。スーパーなどの店頭でも、様々な小豆商品がズラッと並べられ、おぉっと目を引きます。
鏡餅は、各家庭で新年の幸福をもたらす年神様を元旦にお迎えし、その年神様の居場所であると言われています。鏡餅が丸いのは、諸説はありますが昔より神様が宿るとされている「鏡」を模した魂の象徴で、上下2段で陰と陽もしくは月と太陽を表し、円満に年を重ねるという意味が込められているそうです。
鏡開きは、年神様にお供えした鏡餅をいただくことで神様からの魂を授かり、
新年の無病息災を祈る気持ちが込められているんですね。
一般的に、鏡開きではこの鏡餅をお雑煮や、お汁粉、善哉にしていただくのですが、地域によってさまざまなお雑煮があるように、お汁粉や善哉もさまざま。お汁粉も善哉も、小豆を砂糖で甘く煮て、そこに餅や団子を入れるのは共通ですが、関東では汁気があるものをお汁粉、汁気のないものを善哉と呼び、関西より以西では粒なしのものをお汁粉、粒ありのものを善哉と呼んだりします。
小豆は、漢方でも生薬の「赤小豆(せきしょうず)」として使われ、
清熱燥湿・利水消腫により浮腫みや下痢、ニキビや吹き出物といった化膿性の痛みや腫れに用います。民間療法でも、小豆粥を母乳の出が悪い時や二日酔いなどに用い、日本では小豆はごく身近な存在なのが分かります。
お餅の原料であるもち米は、内臓を温めてエネルギーを補ってくれるため、疲労感があるとき、お腹の冷えや下痢が気になるときに良いとされています。お餅って美味しいのでついつい食べすぎてしまうのですが・・・
そこはちょっと待った―――――!
特に、日頃から胃腸が弱い方や、病中病後の方、便秘や皮膚トラブル、咳や痰などが気になる方は控えめに!
お餅は粘り気が強く消化吸収も遅いため胃腸に負担が掛かりやすく、粘り≒痰湿(たんしつ)を生みやすいため炎症や痰などを助長してしまう可能性があります。どうぞ、ご注意を!
まぁ、いろいろ言ったものの、年に1度の鏡開き。
昔からの習慣に感謝し、今年1年の幸せを祈りつつ、美味しく鏡餅を頂ければと思います。
投稿者:古賀 梨紗子
年末のご挨拶
お屠蘇の話
クリスマスも過ぎ、今年もあっという間に残りわずかとなりました。今年は暖冬と言えど、これからまた寒波がやってくる予想。元気に新年を迎えるためにも、寒さや風邪にはくれぐれも注意して、今年残す日々も健康に過ごしたいものです。
さて。新年に向けて今日は、お正月に飲む「お屠蘇(おとそ)」について書きたいと思います。
もしかしたら、お屠蘇?なにそれ?祝い酒?って思われた方もいるかもしれません。
新年の祝いに飲むお酒であることはあながち間違いないのですが、このお屠蘇ただの祝い酒じゃないです!
お屠蘇は、漢方でも使われる生薬を組み合わせた「屠蘇散(とそさん)」をお酒やみりんで漬け込んだもので、
諸説あるものの屠蘇散は昔の中国の名医ある華陀(かだ)によって考案され、日本には平安時代に伝わったと言われています。
屠蘇散の中身は多くが漢方薬だけでなく香辛料としても馴染みのあるもので構成されており、主には白朮(びゃくじゅつ)、山椒(さんしょう)、桔梗(ききょう)、肉桂(にっけい)、防風(ぼうふう)ですが、他にも乾姜(かんきょう)、陳皮(ちんぴ)、丁子(ちょうじ)などが配合されている場合もあります。これらにより、体を温めて血行を良くし胃腸の働きを助け、冬場の感染症や風邪などの予防を期待できます。
「屠」は、屠る・邪気を払う。「蘇」は病をもたらす鬼・心身を蘇らせる。などの解釈があり、
お正月にその一年の無病息災を願ってお屠蘇を頂くのですが、その作法も地域や家庭によって様々です。
一般的な宴席と同様に、年長者から年少者に順々にすすめる場合もあれば、
若者のエネルギーを年長者に分けるという意味も込めて年少者から年長者に順々に進める場合もあります。
いずれにしても、これまでお屠蘇を飲む習慣がなかった方もぜひ2019年は、
新年の縁起や未病長寿を願ってお屠蘇を頂いてみてはいかがでしょうか?
【屠蘇散に入っている主な生薬】
白朮(びゃくじゅつ):
キク科オケラの根茎。温性・微香。
補脾益気、止瀉、利水により胃腸虚弱、浮腫み、関節痛、下痢に用いられる。胃腸薬や滋養薬の多くに含まれる。
山椒(さんしょう):
ミカン科サンショウの果皮。
温裏、止痛、駆虫により冷えによる腹痛や下痢に用いる。日本固有の香辛料。
桔梗(ききょう):
キキョウ科キキョウの根。平性。
止咳、去痰、排膿により咳嗽、咽喉脹痛、下痢に用いられる。呼吸器疾患の要薬であり、咳止めやのど飴の多くに含まれる。
肉桂(にっけい):
クスノキ科ケイの樹皮。大熱性。
補陽、温裏、止痛により身体や手足の冷え、腹痛(下腹部痛)、下痢などに用いられる。シナモン。
防風(ぼうふう):
セリ科ボウフウの根。微温性。
解表、祛風湿、止瀉により感冒、頭痛、関節痛、筋肉痛などに用いる。
今日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
今年のブログはおそらく今回で最後になるかと思います。
皆様どうぞくれぐれも体調の変化にお気を付けて、良いお年をお過ごし下さい!
投稿者:古賀 梨紗子
冬至のあれこれ
今週をどう過ごすか!
こんにちは。
師走に入ったというのに昨日は全国的に夏日を記録する所も多く、暑い1日でしたね。それなのに、明日の雨を皮切りに今度は冬型の気圧配置がぐぐっと強まる予想の週末は、平年並みか平年より低くなるところもあるようです。
福岡でも、最高気温が一桁台予想だとか・・単純に考えても、この3.4日間で15℃以上の差。不安を通り越して恐怖の気温差ですね。
人の体は、環境の温度差に対応するべく自律神経が働き体温を保っていますが、急激な寒暖差が起こるとその変化に対応することが難しくなり自律神経が乱れやすくなってしまいます。すると、だるい、めまい、肩こり、顔のほてり、食欲不振、疲れが取れないなどの不調が出てきます。
それだけじゃありません。
中医学では「気温が上がった後の気温低下で、容易に寒邪が侵入しやすい」と言われています。これは、気温が上がると人の体は体温調節のために毛穴を開き発汗して熱を逃がしますが、その後にやってくる寒さは容赦なくその開いた毛穴から身体の中に侵入し、冷えや風邪を引き起こし易くなるというわけです。
自律神経が乱れれば免疫力も落ちやすく、感染症にもかかりやすくなります。
元気に年末年始を過ごすためには(しかも、平成最後の年末年始ですよ~)
今週の体調管理がめちゃくちゃ重要!!
忘年会、飲み会、いろいろ予定やイベントもあるかと思いますが、
出来る限りの対策と心掛けで、
年末の体調のターニングポイントとも言えそうな週末を乗り切ってください。私も、やります!
急激な寒暖差を上手く乗り切るコツ☆
・マフラーやニット帽、腹巻やカイロの活用を。特に首、背中、頭を隠す。
・口が渇いたらこまめに水分補給。外出後は、うがい手洗いの徹底を。
・冷たい食事や飲み物は極力控える
・食事は1口30回を目安によく噛み、ゆっくりと、食事の時間を楽しむ。
どうしても早食べになる場合は、最初の一口だけは100回噛む。
・夜更かししない。日が変わる前に横になる。
・シャワーでなく、お風呂に浸かる(どうしても苦手な方は、足湯を!)
・お風呂上りに軽くストレッチやマッサージを。
ふくらはぎは第二の心臓とも言われ、ふくらはぎを揉めば、下半身の血の巡りがアップ!
・無理をせず、心八分目に過ごす。焦ったときは、とりあえず深呼吸を。
腕や首を回して、筋肉をほぐせば、心の緊張も自然とほぐれます
投稿者:古賀梨紗子